QLITRE DIALY

痔の手術を経た記録 その1

2023年09月18日

Xでも頻繁にポストをしているので、自分のことをフォローしている人はご存知だと思うが、先月にいぼ痔の手術を受けた。

痔の手術を受ける、ということは恐らく人生でそう多くは経験することではないだろう。というか、そう願いたい。

幸いにして術後1か月くらいが経って、症状もかなり落ち着いてきた。

このあたりのタイミングで記録を兼ねて振り返り記事を書いておこうと思う。

ご存知の通り痔はお尻の穴、もう少し具体的に言うと肛門に関する病気だ。そのため、どうしても肛門に関する記述が多くなると思う。

自分は手術をしてよかったと思っているし、もし悩んでいる人がいたら何かの参考にしていただければ幸いである。

それでは時系列に沿って振り返りを行っていく。

異変

8月の第二週の頃に肛門に痛みを覚え始めた。

自分は切れ痔になったことは何回もあるのだけど、それとは質の違う痛みだ。

切れ痔も痛いことに痛い。しかし、その苦しみは用を足す時に痛いなーと感じる程度だ。

今回は座っているだけで、痛い。圧迫されている、という感じがする。同じ姿勢を取っていることができない。

用を足すついでに、恐る恐る肛門の周辺を探ってみると、普段はないような異物、突起物があるのが分かった。紛れもなくいぼだ。俺はいぼ痔になってしまったんである。

仕事はデスクワークなので、かなりつらかった。10秒おきくらいに身体をくねくねさせたり、もぞもぞさせたりして、気を紛らわせていた。

もし注目している人がいたら、かなり異様な動きに映っていただろう。

だが、周りのことを気にする余裕は自分にはなく、異様な動きをしながら何とか仕事をこなしていた。

局面の変化

そんなこんなで痛みは異様な動きを続けることで何とか我慢をしていた。

一週間くらい様子をみて直らんなーと思っていたら、どうも局面が変わったなと思う気づきがあった。

帰ってくると下着が汚れている。薄く血に染まった何か。うみのようなもの。そのうえ、これまでに嗅いだことのない異臭がする。

「放屁をしたつもりが身も出てしまった」という失敗は誰でも経験があると思うが、それとは質の違う匂いだ。というかもっと臭い。

ネットで調べていると、いぼ痔になるとこういう現象は良く起きるらしい。

いぼから出た膿と、いぼがあることで押し広がった肛門から、腸の分泌物が漏れているのかもしれない。

このとき、局面が変わったと思った。

痛みだけなら前述の通りくねくねした動きをしながら仕事をすれば何とか誤魔化すことができる。

しかし、匂いはどんなに異様な動きをしても消すことができない。このくらいのタイミングで病院に行こうと思った。

病院へ

異変を感じはじめてから10日後くらい。最寄り駅から電車で10分くらいの街にある、肛門科を専門でやっている病院へ行った。

初診はネットで予約をするシステム。受付を済ませて周りを眺める。とても清潔な空間だと思った。トイレに入ると、流石に肛門科だけあって、トイレットペーパーの質がとても良い。

時間通りに診察が始まる。

先生にこれまでの症状のことを説明する。

「それじゃあお尻を見せてもらおうかな、そこのベッドに横になって、半分お尻出してこっち向ける感じで」

当然、肛門の病気で来ているので、診察では肛門を見せる。少し恥ずかしい思いがする。俺は他人に尻の穴を見せたことはあまりない。

ましてや自分で自分の尻の穴を見たことがない。そのため、尻の穴の評価をされたこともないし、したこともない。

そのため、人に見せられるようなものなのかどうか、いまいち自信が持てないでいた。

そんなことを一通り考えて、そうか、いまは品評の場ではなくて診察だったんだよな、と思い直して、先生の言われた通りにした。

先生は何かの器具を入れて、俺の尻の穴を調べていた。押し広げられているような感覚がある。ちょっと痛みもあった。

この状態はかなり無防備だな、と思った。かつてここまで無防備だったことが人生であっただろうか。尻の穴に何かをされているのだけど、何をされているのかが全く分からない。「いま何をしているんですか」ということを聞けばいいのかもしれなかった。だけど、知ってどうにかなるものでもないだろう。

大体10秒くらいだっただろうか、尻の穴の確認はそのくらいの時間で終わった。

「いぼ痔ですね、あと切れ痔も何か所かある。手術したら楽になるかと思いますがどうしますか?」

めっちゃカジュアルに手術の話をしてくるなー、展開が早い、と思った。そもそも自分は手術というものを受けたことがなくて即断ができようもない。

「えーと、手術って受けるの初めてで即断はできないというか、すみません。そもそも自然治癒とかはしないもんなんですか?」

「よくなる人もいればよくならない人もいます。よくならなくて、結局手術した人もいます。ただ言えるのは手術をすれば、楽になると思います。」

明確な答えでとても分かりやすい。これ以上、明確な答えは世の中にあまりないだろう。

ちょっと考えていた。手術は痛そうでやだなー、とか。でも、結局今も痛い状態は続いているし、そのうえ、異臭も気になってきている。

手術をすれば痛いんだろうけど、少なくとも異臭の問題は解決されそうだ。そんなことを考えて決断をしたのだった。

「…切ります。ひと思いに切ってくださぁい!」

続く。