2026年08月04日
この日記サイトは日記、音楽、本という3つのカテゴリーでやっている。本は通勤の時間を活用してそれなりに読んでいるのだけど、そういえばあまり本のカテゴリーで投稿をしていなかった。というわけで久しぶりの本のネタ。
昨日行ってきた岡野大嗣×柴田聡子のトークショーについて。
唐突だが、最近アーティストからサインをもらうのっていいなあって思っている。やっぱり好きなアーティストと何らかのコミュニケートをした結果として形に残るのがいい。よこしまな理由ではあると承知はしているが、物品にサインが入っているとやはりオリジナル性が高まるというか、モノの価値というものが高まるような気もする。いつの日にか虫歯で詰めた金歯しかり。物品の価値があがるというのは素直にうれしいものだ。というわけでサインを集めたい欲が自分の中でふつふつと。そんなトレンドが自分の中にある。それで、今回はトークショーに加えて書籍サイン会もあるということで、これは行かねばと思い立ち、予約をしたのだった。
今回のイベントは岡野大嗣さんの「夜なのに夜みたい」の刊行記念となっている。トークショーの後は岡野さんの「夜なのに夜みたい」、柴田聡子さんはゲストということで既刊どれか一冊にサインをもらえるというシステムになっていた。
柴田聡子さんの音楽はよく聴いてきたのだけど、実は書籍をちゃんと読んだことがなかった。詩集を一回買ったことがあるが、韻文慣れをしていないのか、正直書いてある内容の理解が追いつかなかった。というわけで、今回は散文である「きれぎれのダイアリー」をチョイス。通勤の電車の中で読む。うーむ、やはり難しい。なんだろうな。散文なんだけど、意味がスッと入ってこない不思議な感じがする。難解ではないと思うが、散文なのにちょっと韻文っぽいリズムと意味がそのまま受け取れない文章あり。普通の日常を書いているようではいるが、ちょっと変。それと本人の変な考えが垣間見えるのがファンとしては面白いと思った。
岡野さんの「夜なのに夜みたい」は散文+短歌からなる一冊。短歌はあまり読んだことがないので、散文の方に目が行く。特に音源という話が面白かった。
夜のトークイベントに向けて岡野大嗣さんの夜なのに夜みたい読んでいて、音源という話が面白い。 「媒体に過ぎないものを音源と呼ぶことにも違和感を覚える。天然水の入ったペットボトルを水源と呼ぶような。」 音源に違和感を覚えたことはなく水は水でしかなかったので、水源を意識してしまいそうだ。
夜のトークイベントに向けて岡野大嗣さんの夜なのに夜みたい読んでいて、音源という話が面白い。
— qlitre(くりったー) (@kuri_tter) August 3, 2026
「媒体に過ぎないものを音源と呼ぶことにも違和感を覚える。天然水の入ったペットボトルを水源と呼ぶような。」
音源に違和感を覚えたことはなく水は水でしかなかったので、水源を意識してしまいそうだ。
ある表現や考えに触れることで自分の考えや行動が変容すること。そこに本を読むことの楽しさの一つがあると自分は思う。
ペットボトルの水と水源の対比。これまで自分の中では売っている水は「ミネラルウォーター」でしかない。しかし、この文章に触れることで、なんとなく水源ということを意識してしまう。だからなんだという話かも。それに最終的にはどっかの工場で詰められているんだろう。あまりロマンのある話ではないが、なんとなくそんなことを考えているのが面白いと思った。
トークショーは青山ブックセンターで行われた。仕事帰りに表参道駅に降り立ち、青山学院大学の前を通って会場へ。道を一本間違えて焦ったが、邦ロック喫茶「ベリエ」という喫茶店をみつけてちょっと気になった。会場で整理券を渡されトークショーが始まる。
冒頭はお互いの趣味であるバスケの話。お互いめちゃくちゃ盛り上がってるけど、すみません、何もわからなかった。
バスケタイムが終わり、時折バスケに戻ったりもしながら創作関連の話へ。
メモをとっていなかったので覚えていない部分も多い。そんな中で特に印象に残ったのは自己模倣に関する話。自分で自分の真似をしすぎないようにしようとか、スタイルに溺れないようにすることを意識しているというような内容。うーんいい話だと思ったので、本当にメモっておけばよかった。過去の成功体験だったりを真似するようにすると、そこで変化が止まってしまうとか、毎回同じようなものになってしまう、そんな内容だったと思う。
自分がこの時感じていたことはよく覚えている。サラリーマンをやっているので、型にはめて再現性を高めることばかりを考えている。飲み会の締めはやれれば一本締めと決まっているし、いつも同じような話で笑ってる。仕事はなるべく手順化をして、違う人でも同じようにできるようにする、混沌としたものをせっせと取り除いて整理する。まぁ仕事ってそんなものだし。それと、自分はプログラミングをするのだけど生成AIのコーディングも「どうコントロールするか」ということについてみんな躍起になっているようにみえる。そんな日々なので、そっか創作をしている人は逆なんだ、と頭の中が垣間見えたようだし、参考になる。
あとアンコールの流儀に関する話とか、ライブ関連のあるあるって感じで面白い。柴田さんは昔も過去も恥ずかしいって思ってるとか、岡野さんのサンプラーで音鳴らすことと短歌の言葉を紡ぐのが似てるかもって気づきとか。興味深い話が多かった。
最後の方ではまたバスケの話に戻ってきてわからん…となる。そんな流れの質問コーナーでバスケに異常に詳しい女性がバスケに関する質問をする謎の展開。いやいや、みんなバスケわからんって思ってるんだって!でも、何もわからんが、いいぞ、もっとやれー!、とヤケクソな気持ちも起こるのを感じる。あそこの質問の展開がこの日一番面白かった。
サイン会は整理番号順に呼ばれて、サインを書いている間にちょっと話せるというシステム。ほんの数十秒なので、柴田さんにはフジロックに「グッと来ました」という話をした。「あたしもグッと来ました」と話していただいてよかった。
岡野さんには上記の水源に関する話をした。そういえばトークショーでも柴田さんがこの文章に触れていてそこもうれしかったんだった。去り際に水源飲みますみたいなことを言った。そして水を飲みながら帰った。夏のせいかいつもより水を飲んでいるという実感があった。


ありがとうございました。