QLITRE DIALY

やつみ(8才)8月8日生まれのロンリーガール

2026年03月22日

オブジェクトに書かれた情報を読むのが好きだ。

オブジェクトはコンピュータープログラミングで使われる言葉だが、ここでは現実の物体を指す。それは電車の吊革広告だったりするし、お店の看板だったり町の掲示板のポスターだったりする。そこに刻まれた言葉や情報は大体において通り過ぎていくだけで記憶に残らない。しかし、たまに「変」な言葉があり、そしてそれについて、あぁでもないこうでもないと考えるのが好きなんである。

今日スーパーで買い物をしていて、妙に記憶に残るオブジェクトに出会いそのことについて書きたい。

それは「八ヶ岳牧場ミルク」である。

まず目に入るのは八ヶ岳乳業のイメージキャラクターの「やつみちゃん」だ。

ウインクをしながら四肢を広げている姿はとてもチャーミングだ。読んでいくと細かい設定があることに気づく。好きなものは「牛乳・チーズ・ヨーグルト・りんご」、なりたいものは「パティシエかキャビンアテンダント」、性格は「人をよろこばせるのが大好き」だ。

八ヶ岳牧場ミルクはその名の通り牛乳なので、乳製品関連情報で固められているのだろうか。りんごは一見してよくわからないが、調べてみるとりんごで育てる牛が存在するらしい。そういうつながりなのかもしれない。「パティシエ」もケーキには生クリームとか使うのでわかる。

しかし「キャビンアテンダント」はどうだろうか。飛行機というとやはりそれは機内食のことであり、機内食といえば「ビーフ or チキン?」だ。牛である「やつみちゃん」が「ビーフにしますか?チキンにしますか?」と聞く姿は想像すると中々ブラックジョーク的というかシュールな世界が広がっている気もする。いいのだろうか。

メインプロフィールの一文も妙に味わい深い。

「やつみ(8才)8月8日生まれの女の子」

8才、8月8日と8が3つ並んでいる。「やつみ」の名前にかけたダジャレなのだろうか。やけに語感がいいので頭の中に残る。

しかし、8月8日生まれに対して、年齢は時と共に変わってしまうことが気になる。フィクションの世界では、現実の時間とずれがあるのは暗黙の了解とされているが、厳密に捉えるとあくまで一年後は「やつみ(9才)8月8日生まれの女の子」となる。これでは8が3つの「やつみ」にならないので、なんとかして語呂を合わせる必要がある。

例えばこういう感じになってしまうかもしれない。

「やつみ(厄介)8月8日生まれの女の子」

やつみは気性が荒く搾乳機への移動を拒んだり、他の牛や飼育員を威嚇・攻撃したりする。それは厄介な乳牛であるといえるだろう。

「やつみ(厄年)8月8日生まれの女の子」

成長して厄年を迎えてしまったパターンである。牛であるとはいえ、イメージキャラクターなので、厄払いを行う必要があるかもしれない。

「やつみ(パッタイ)8月8日生まれの女の子」

タイ料理の米麺を使ったヤキソバである。唐突になんだという気もするが、あんがいやつみは雑食かもしれないので、パッタイだって食べるかもしれない。そういう牛がいてもいい。その場合はすきなたべものに情報の追加を忘れないようにする。

「やつみ、愛車はドゥカティの888SP」

キャビンアテンダントになりたかったはずが、次第に単車乗りに憧れるようになった。愛車はドゥカティの888シリーズ、キュートな姿から転じて、ワイルドな女性に成長してしまった。

しかしキュートな「やつみちゃん」で始まったのに唐突に「やつみ」と呼び捨てになるのも気になるところである。

3文字の女性の名前というと、名曲「ECDのロンリーガール」で女性の名前を読み上げるフレーズを思い出す。

ヨシコ、ジュン、アケミ、リエ、カズエ、クミコ、ミキ、サユリ、チエ、ヨシエ、ノリコ、エリ、マユミ、ユカリ、カナエ、ユミコ、マリ、ヒデミ、ミドリ、ヤツミ…

渋谷のセンター街から始まる曲であるが、やはり八ヶ岳からはドゥカティで移動するのだろうか。それはちょっとシリアスだ。

おわりに

公式サイトによると、名前の由来は「(やつ)がたけ(ミ)ルク」とのこと。https://www.yatsugatakemilk.co.jp/yatsugatake/yatsumi/

茨城県酪連のサイトによると乳牛の平均寿命は5-6年らしい。切ない。

http://www.ibarakuren.or.jp/chishiki/rakunou/life_cycle.html