QLITRE DIALY

偶然にもバーでOK Computerを聴くことになった

2026年10月31日

久しぶりの日記である。今日はたまたま通うようになったレコードが聴けるバーについての話。


「あれ、くりったーさんじゃないですか。」

自分は元々は川崎の幸区に住んでいたのだけど、2024年に川崎の西の端の方に引っ越してきた。

それまでは京浜東北線で職場まで通っていたのだが、引っ越してからは小田急線で新宿まで出て乗り換えるというルートで通勤している。育った実家は埼玉だったもので、小田急線はこれまであまり使ったことがなかった。それで、定期券を使って途中駅で下車して散歩したり飯を食べる、みたいなことを引っ越した当初はよくしていた。

冒頭の一文に戻る。そんな背景があって、経堂の「ガラムマサラ」で、一人でランチカレーを食っていたら食後に急に話しかけられたのだった(本名で呼ばれたけどHNのくりったーとした)。

髭を生やした自分より少し年上に見える男、見覚えがない顔だった。訝しそうにしていると、相手の方が正体を明かしてくれた。

自分は2015年から2020年まで営業職をやっていて、驚いたことに、その時に担当をしていたお客さんだったのである。1−2週間に一回くらいは顔を合わせていたのに、全く気づかなかった。というのも、当時はしゅっとした見た目の方だったので、目の前にいる髭を生やした姿は同一人物と結びつけるのが難しい。

「なんでこんなところにいるんですか」

そんな話をお互いにする。自分はこの沿線に引っ越してきたことを話す。相手はこの近くでバーをやってて、ということを教えてくれた。そういえば、自分が担当をしている時に、バーを開業するといって会社を去ったことを思い出した。どこでやってるかは全く把握していなくて、まさか経堂でバーをやっていて、自分もたまたま引っ越しをしてきて飯を食ってただけなので、ものすごい偶然だ。昼時だったので、じゃあ今度行きますね、なんて話をしてその場は別れた。

その時から1ヶ月くらいしてくだんのバーに行ってみることにした。8月の初めの暑い夜だった。階段を抜けて2階にあがると、カウンター越しにかつてお客さんだった方が立っている。おー、よくぞきてくれました!、みたいな感じであいさつをしてくれて、カウンター席につかせてくれた。周りは地元に住んでいる常連の人が多い感じだったけど、自分とのいきさつを話してくれて、周りと会話が弾んだ。目についたのはカウンター越しにみえる2台のレコードプレイヤーで、音楽はアナログオンリーでかけているらしい。枚数は2500枚ほどあるとのことだった。

「そういえばこれ。好きでしたよね?」

そういいながら針を落とした盤がレディオヘッドの「OK Computer」だった。そういえば彼とは仕事で付き合っていた時から、音楽の話はよくしていて、レディオヘッドが一番好きだ、みたいな話をした記憶がうっすらとある。それまで中南米とか昔のソウルっぽい曲がかかっていたので、自分のためにガラッと雰囲気を変えてくれたのがわかってうれしい。さっと顔を出すくらいのつもりだったが、結局OK Computerを全部聴くまで居座ってしまった。

おそらくバーで酒を飲みながらOK Computerを聴くことは今後の人生であまりないだろうな、という気がして不思議な夜だった。

それから不定期でそのバーに通っている。計画的にいくことは少なくて、なんとなく音楽の話がしたい気分だなーという時にふらっと立ち寄ることが多い。ライブが終わった後とかかな、そのまま帰る前にちょっと音楽の話がしたいというタイミングは確かにある。そういう時の居場所ができたようで、あらためて偶然の出会に感謝をする。


そんな経堂のバーであるが、ディスクユニオン・ブックスのレコードバー特集に登場をするらしい。行きたい人がいましたら一緒に行きましょう。ではでは。