QLITRE DIALY

今なら仲間とスターバックス行けるけれど

2024年11月23日

10月20日の事故から約1か月が経って、まだ右脚で体重を支えられるという状態ではないため歩けないままでいる。

とはいえ、ぱっくりと裂けていた傷口はかさぶたも取れて、痛みに悩まされるということはなくなってきていて、社会復帰に向けてリハビリをする、、、というフェーズに入っている。

昨日に初のリハビリをする。腫れあがって凝り固まった患部。そこにパッドを取り付けて微弱な電気を流す治療を行った。むかし行ったことのあるスーパー銭湯の電気風呂みたいな感じで懐かしい、そしてマッサージとは別の気持ちよさがある。

リハビリでは正式な職業名は分からないのだけど、理学療法士さんか整体師さんが面倒を見てくれてマッサージをしてくれる。そのため、通常は予約が必要なのだけど、予約なしでいっても電気治療をすることは可能らしい。

次の予約は休み明けだったけど、季節は俺が何もできないでいるあいだに秋が過ぎて厳しい冬に入ろうとしていて、少し世間から置いていかれてしまっているような、そんな焦りもあったので、なるべく早く復帰したいという気持ちがあり、今日も電気治療だけでもということで、病院に行ったのだけど、勤労感謝の日で祝日なため病院は休みだった。

まだまともに歩ける状態ではないので、整形外科へは自宅からタクシーで直行している。それにも関わらずの休業でかなりの徒労感があった。歩き回ることもできないので、そのまま帰路につく。途中にスターバックス、通称スタバがあった。

俺は普段から積極的にスタバに行くタイプの人間ではないが、このまま帰ると交通費だけで2500円くらいかかる計算で、何かしらの体験をしたいというような気持があって、スタバの中に入った。

最後にスタバに来たのはいつだったかな。一回も入ったことがない、というほどではないが、およそスタバとは無縁の人生を送ってきたように思う。チョコレートチャンククッキーとスターバックスラテを注文する。会計後に席は確保していますか?と店員さん(当然イケメンだ)に聞かれる。

先に席を確保するシステムということを知らなかった。後ろを振り返るとスタバの店内は2割くらいは勉強している学生風の人、残りの8割ほどはMacBookでたぶんWEB制作とか副業をしているという感じの男や女で席は埋まっていた。とはいえ二人がけのテーブルに一人で座っている人もいたので、相席させてくれないかなって顔をしながら席とMacBookと店員さんを交互にちらちら見ていたけれど、俺が何かを言い出す前に「外にテラス席があるので—…あ、飲み物もお持ちしますから」みたいに切り出されてしまった。

しばらくすると、ホットのスターバックスラテが運ばれてくる。昨日の陽気さがうって変わって冷たい冬の風が街道を抜けていく。何もすることがなかったので本を読もうとしたけど、吹き荒ぶ風にページがめくられてうまく読むことができない。なんだか寒いしなにもできないや、しかも、ここに来るまで無駄にお金を使っちゃったな。せっかく頼んだスターバックスラテも心なしかぜんぜんおいしいと思えなかった。あぁ今日は何もいいことがない。率直にいって打ちひしがれていた。

そんな一方でウィンドウ越しに店内をのぞいてみると、いまこの瞬間にも自分には思いつかないようなWEB制作、そして副業で金を稼いでいる男と女が休日を満喫している。メニューがいっぱいあったけど何を飲んでいるんだろう、こんどはそのあたりに注目してみようかな。しかし、恐らく日本全国、いやいや、世界中のスタバでまさにWEB制作や副業が行われているのだろうし、AIの台頭によりその作業効率は指数関数的な上昇を見せているだろうから、そのWEB制作や副業で生み出されるGDPというのもきっとこの瞬間切り取っただけで小国のそれに値するくらいになっているんじゃないだろうか。急に自分は取るに足らない存在だと思ってしまって、全くもってスタバというのは恐ろしい場所だと思ってしまった。