2025年08月02日
今年も健康診断は胃カメラ検査を受けたのでそのことをまとめておく。
バリウム検査、それは苦しいで書いた通り昨年はオプションでバリウム検査を選択したが、今年はもう少しリッチな内視鏡検査、通称胃カメラ検査を選択することにした。
「リッチ」という表現を使った理由について。健保から健康診断費用の補助が出るのは5,000円までで、バリウムオプションの場合は5,000円なので自己負担がゼロ。しかし、胃カメラを選択した場合は約9,000円の会計となるので、持ち出しが4,000円ほど発生する。その分、バリウムに比べてもう少し詳しく身体の中のことがわかるらしい。
中には受けたことがない、という人もいるらしいので少し理由を書いておく。
一つ目。36歳になり、体調が絶好調という日は少なくなってきているのを感じる。眠かったり、昨日の酒が残ってたり、肩が重かったり、常にうっすらと体調が悪い日々が続いている。そんな状態なので、リッチな検査をして悪いところがないか確認しておこうという気持ちがあった。
二つ目。バリウム検査が嫌だった。前回エントリで書いた通り、バリウム検査は単純に苦しい。
三つ目。好奇心から。身体の中にカメラを入れて撮影するなんて正気の沙汰とは思えないが、どんなものか経験をしておきたいと思った。怖いという感情はあるが、経験をすればやわらぐかもしれない。
ゼロベースで臨むのは怖いので知人から情報収集する。
「辛かったけど施術中にめっちゃはげましてもらえるのが新鮮だった。会社ではげまされることなんて一切ないから」
同年代の友人。そうえいば人生ではげまされることは俺もほとんどなくなっていたな。
「バリウムと違ってその日のうちに飲みにいける、普通に飲み会セッティングした」
会社の飲兵衛の先輩(女性)。バリウムは強制的に下痢状態になるが、胃カメラはあとを引かないらしい。これは良い情報だ。
「全身麻酔で寝てたので気づいたら終わってた」
会社の上司。俺は全身麻酔を選択していないが、お金をかけるとこういうことも可能らしい。
「鼻からにした?口からにした?」
会社の年齢が近い先輩。鼻からいくか口からいくかで違うらしい。そういえば申し込みの際に「鼻からでいいですか?」って聞かれて特に考えずに鼻からいくことにした。
※ちょっと意外だが、一般的に鼻から挿入した方がむせることがなく楽らしい。
バリウムと同様に胃カメラ検査も健康診断のラストに設定がされる。
順番になると個室に呼ばれる。中に看護師さんが一人。普段の診察室と異質な雰囲気の個室だった。リクライニングソファとその前にテレビがある。なんだろう、リラックスできる環境を用意してくれているのだろうか。ソファに座るように促される。
テレビをぼーっとみながら、まずは液体飲み薬を渡される。コップ一杯分くらいのまずい薬だ。胃の中をキレイにする効能があるらしい。
続いて鼻の通りをよくするスプレーみたいなものを噴射された。
そして喉と鼻に麻酔液を注入される。だんだんと鼻の奥と喉の奥の感覚がなくなってくる。看護師さんからは手のひら大の容器を渡された。唾液をここに吐き出すらしい。確かに喉に麻酔を注入されると、唾を飲み込むということが自然に行えないからか口の中にとても唾液がたまる。
そして麻酔が効いた頃に鼻の中に管を通す「練習」をする。
この時に「右の鼻と左の鼻のどっちが通りがいいですか?」という質問をされた。これまであまり考えたことのない問題だ。正直に「わかりません」と答えると、まずは右の鼻から細い管を使ってテストをする。問題なくはいった。次に本番と同様の太さの管。ちょっとつっかえるようだった。どうやら俺の右の鼻は少し通りが悪いらしい。
同様に左の鼻もテストをする。左の鼻の方が通りがよく、こちらで施術を行うこととなった。
医師の準備ができるまで待機をする。やることがないので、口にたまった涎を吐き続けていた。ほどなく施術室に移動。モニターが設置された機械と、簡易的なベッド。そこに顔を横に向けて横たわるように指示をされる。
横たわると施術が開始。
黒いチューブを左の鼻の中に突っ込む。痛みは感じないが異物感がすさまじい。鼻の奥を通っていく感覚がする。
チューブが進むに合わせて医師が指示をする。うろおぼえだがこんな感じ。
「いまから一番細くてつらいところを通るぞ…!合図をしたら思いっきり唾を飲んで、、、グッド、いまいちばん辛いところを抜けたぞ…!」
「よし、胃の中にカメラが入った、大きく息をすって、吐いて…!」
黒いチューブが鼻と食道を通して胃の中に入ったのを感じる。そしてチューブから空気が噴射されているのだろうか、胃が大きく膨らんでいる。すさまじい圧迫感で腹がはち切れそうだ、ちくしょう。先生とは別に看護師が一人ついている。ずっと俺の背中をさすってくれている。モニターを見上げると、まさに俺の胃の中の映像が映し出されている。だが苦しい。とてもじゃないが見ていられない。「よーし、胃の中の撮影が終わったぞ…!次はその先の腸まで進むぞ…もうすこしだぞ!」。胃の中でうごめく異物感。涙が止まらない、それと鼻水と涎も垂れ流している。それとさっきからずっとはーはー喘いでいる。横たわりながら鼻の中にチューブを通され、はーはー喘ぎ声をだしながら涙と鼻水と涎を永遠と垂れ流している。くそ、なんて状況だ。背中をさすってもらっていることだけが救いだ。意識をさすってもらっている背中に集中すると少しは気が紛れる。「よし、空気を抜くぞ…これで楽になるからな…」。あぁ、楽になった。そしてチューブが鼻から抜けていく。
正味5分間くらいだろうか。率直にいってかなり苦しい検査だった。
胃カメラ検査だと終了後にすぐにフィードバックをもらえる。これがバリウムとの大きな違いだろうか。
撮影した画像を眺めながら今回は特に異常が見つからなかったという説明を受ける。かなり苦しい体験だったが、少なくとも胃に関しては健康を保っているという事実を知ることができてよかった。
※記念に画像の撮影もしたが、さすがにセンシティブすぎるので公開は控えます。
バリウム検査と胃カメラの違いについて医師にきいたところ、バリウム検査は得られる情報が胃カメラに比べて少ないという説明があった。胃カメラ自体は異常の自覚症状がない場合は毎年やらずに2、3年に一度行えば充分では、という見解もあった。
次年度はオプション選択をせずに、2−3年に一度の頻度で胃カメラを受検しようかな、ということを検討している。
術後、30分程度は飲み食いができないが、その後は通常の状態に戻るのもバリウムに比べるといい。会社は休みをとっていたため、このあとむちゃくちゃ飲酒した。
2024年05月25日
35歳になって初めてバリウム検査を受けた。その記録、感想。