2022年11月12日
昨年の10月から始めたPitchfork200アルバムのレビューの第五弾。
今回は30位から11位までで、特によかったものを紹介する。
約一年以上続けてきて、ようやく終わりが見えてきている。
めちゃくちゃ良いと思ったら星が5個
また聴きたいなと思ったら星が4個
あまり印象に残らなかったら星が3個
以下、Rateが星5のものを{ランク}. {アルバム名} / {アーティスト名}
という記載ルールで紹介していく。
ジャンルとしてはサイケデリックロックに分類されるらしいのだけど、あまりそういう印象は感じず、爽快に聴き流せる曲の多い良きアルバム。
微妙な例えだけど、深夜にやってる謎の洋楽番組でたまたま流れていて、知らないのだけどなんか良いと思った、そういうシチュエーションを思い出すアルバム。つまり、気合を入れて聴いてなくても良い曲が多い。
かっこいいと思ったのは7.The Less I Know The Better
、9.Disciples
。
今作ではリアルタイムで聴いていた唯一のアルバムだろうか。錯視効果でジャケットがうねうね動くことで、たぶん有名。
見ていると気持ち悪くなる。
特に2.My Girls
の完成度がすごい。静かに始まって、どんどん心拍数があがっていく感じ。
その他には4.Summertime Clothes
、9.Lion In A Coma
、11.Brother Sport
あたりが良い。
全般的に不穏な音を響かせているのだけど、メロディはポップ寄り。ちょっと普通じゃないというか、悪い夢を見ているのだけど、どこか楽しいというような不思議な気持ちになるアルバム。
高校三年の時だろうか、人生で初めてロックフェスに参加をした。サマーソニックだった。
確かそのサマーソニックで、LCD Soundsystemがこのアルバムを引っ提げて出演したことを覚えている。
その時の自分はと言うと、KasabianとかMuseとかUKロックに熱を入れていて、LCD Soundsystemの存在をライブを観ることはなかった、フェスに行った日にはその存在を認知すらしていなかった。
たまたまサマソニに参加しているクラスメイトがいて、「LCD Soundsystemが一番よかった」みたいな話をしていた。そこで、存在を知った。聴いてみたけど、当時の自分には良さがあまりわからなかった。なぜなら当時はUKロックこそ自分のすべてだったから。
時はながれて大学に入る。音楽サークルに入る。そこでの交流でわりと色んな音楽を聴くようになって、LCD Soundsystemの良さもわかるようになってくる。不思議なもので、ある時期には全く響かないものが、時を経て良さが分かるようになることがある。逆もしかりで当時あんなに好きだったUKロックをさいきんはあまり聴いていない。
これがデビューアルバムというのが信じられない。化け物アルバム。
傾向としてはスローナンバーが多め。ごくまれにある、いつまでも聴いていられるような、そんなアルバム。2.ThinkinBout You
のファルセットが人間が歌っているとは思えないほど美しく、中毒性が高い。
個人的に一番印象に残ったのは11.Lost
。このアルバムでは珍しくテンポが良く、古き良きミネアポリスサウンドを思い出す。
歌い方もちょっとプリンスっぽいよね。
たぶん聴き直しているうちに新しい発見があるだろう。そんな予感がする。
前に書いたエリオット・スミスを彷彿とさせるような、静かでそれでいて美しい曲が多いアルバム。
ジャケットがコミック調なので、ちょっと意外。9.Chicago
の名曲感がすごい。
とうとう残りトップ10を残すのみになった。
つづく。