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低温調理機とコンテナで極上チャーシュー作りがはかどった話

2025年01月19日

自分は普段はあまり料理をしないが、チャーシューだけはたまに作る。

ジップロックにタレと豚肉の塊を入れて、あとは温度キープしながら湯煎してじわじわと熱を通すスタイル。いつも63℃で2時間かけてじっくりと調理する。いわゆる低温調理という手法だ。

豚肉のたんぱく質は65℃で変性をはじめ、収縮して固くなっていくと言われている。俗にいう「パサついてくる」という状態のことだ。

低温調理の手法のメリットとして、65℃未満でじっくりと熱を通すことにより、パサつきを抑えて、肉の柔らかさやジューシーさを最大限に引き出すことが可能となる点がある。また、ジップロックでは疑似的な真空状態を作れるので、浸透圧によりタレの旨味がよく肉に染み込む。そのため、完成したチャーシューは一層深い味わいに仕上がる。

このレシピについては以前にブログにまとめたことがある。

今でもチャーシューを作る際は参考にしている。

チャーシューはたまに作ることがある

このブログに書いてある通り、以前は料理用の温度計を使って、温度を一定に保つようにしていた。

意外にこれが面倒くさい。トロ火で湯煎を行うわけだが、そのままにしていると狙っている63℃という温度を上回ってしまう。そのため、温度をこまめにチェックしながら、火をつけたり消したりする必要がある。

前置きが長くなった。この工程が低温調理機とコンテナを用意することですっきりと解決されたので紹介をしたい。

低温調理機の導入

まず、低温調理機だ。こちらはツヴィリング社の低温調理機を入手した。ずっと使っていたクレカのポイントが貯まっていたので消費してゲットした形になる。

Amazonだと15,000円ほどで販売されている。

使い方はいたって簡単で、何らかの容器に水を入れて、機器を装着する。

そしてキープしたい温度と時間をセットしてスタート。あとは棒から熱が出て一定の温度で設定した時間をキープしてくれる。

夢のような機械だ。

これさえあれば温度計を目視しながら、火をつけたり消したりしなくていいのである。チャーシューを作っている2時間でゆっくりと読書をするのもいいだろう。あるいは、映画を楽しむこともできるだろう。

ただし、ネックな点が一つあることを共有しておきたい。写真では分かりづらいが、けっこうでかいんである。

カタログスペックでは50x85x320mmと記載がある。これだけだとイメージがわかないと思う。自分もそうだった。

そこで写真を用意した。我が家の一番サイズが大きい鍋に装着するとこのようになる。

このように一般的にちょっと大きい、というレベルの鍋に装着しても丈がだいぶ余ってしまう。

想像以上にでかくて不格好だ。

上から見た図。不格好なだけならまだしも、物理的にかなり不安定な状態となるので、利用する際に鍋から外れないように工夫する必要があるだろう。

また、器具で鍋肌が傷つくという危険もある。(実際に自分も傷つけてしまった)

低温調理機用コンテナ

そこで役に立つのが低温調理機用のコンテナである。

これは一言でいえばただのでかいプラスチック容器である。

一応目盛などはあるが、ただのでかいプラスチック容器である。ただし、蓋には低温調理機が挿入できる穴があてがわれており、容器に水をためて、棒を突っ込むことができる。充分な深さがあり、安定して低温調理機を利用することができる、なくてはならないアイテムだ。

装着した写真。さきほどの鍋と比べてみると、これが専用に作られたでかいプラスチック容器ということが一目瞭然かと思う。

簡易的なチャーシュー製法と組み合わせて利用した図

というわけでこの2点のアイテムを使って、チャーシューを作った図を紹介をする。

なお、分量などの詳細は以前のブログ参照されたい。

チャーシューはたまに作ることがある

たれを作る

肉に塩をふる

ジップロックにたれと肉を投入。空気を抜く。

タレが冷めた頃に、ジップロックに肉とタレを入れる。

そのあとジップロックから空気を抜くのだが、以前のブログではその方法として「ストローで空気を吸う」やりかたを紹介していた。

今回は容器に水を貼り、空気を抜く方法を紹介したい。こちらの方がストローで頑張るよりも少ない労力で、しっかりと空気が抜ける。水は空気より重いので、容器に水を貼りジップロックを沈めていくだけでみるみる空気が抜けていくわけだ。

簡単にこのくらいのレベルまで抜ける。

コンテナに水を浸して低温調理機をセット

あとはコンテナに水を浸してジップロックを投入。低温調理機をセットするだけである。

つっこんだら63℃に設定。

時間も設定する。2時間とした。

あとは待つだけ。徐々に温度があがっていき、63℃に到達してから2時間後に自動で切れる。

今回は450g程度の豚肉の塊を二つ投入。

充分にスペースが余っているのでもう1~2個くらい投入できるかもしれない。

完成図

2時間が経つとこのような姿になる。

切ってみると通常の調理法との違いがはっきりとわかる。

たんぱく質が変性をしないまま熱が通るので、桜色でみずみずしい断面に仕上がっている。

この状態は通常の高温調理では得られない特徴であり、肉の柔らかさとジューシーさが両立されている。

脂身も過剰に溶け出さず適度に残り、浸透圧によりたれの旨味が肉の内部にいきわたっており、コク、味の深みにいつも驚かされている。

安全性について

厚生労働省によると、豚肉に関しては63℃で30分以上加熱していることが一つの安全基準となっているようだ。

豚の食肉を、調理等を行い直接消費者に販売する場合は、豚の食肉の中心部の温度を 63℃で30 分間以上加熱するか、これと同等以上の殺菌効果がある方法で加熱殺菌しなければならないこと。

豚の食肉の基準に関するQ&Aについて - 厚生労働省

この調理方法は63℃で2時間熱している。基準上はそのまま食べても問題はないはずであるが、素人がやっていることもあり、食べる前には少し火を通しておいた方が安全だろう。自分は厚めにカットをして、強火でさっと表面を焼いてから食べるようにしている。このようにすれば安全性を担保し、肉のジューシーさを楽しむこともできる。

おわりに

低温調理機とコンテナを導入したことで工程の大部分が自動化され、チャーシュー作りがかなり捗るようになった。もし低温調理をしたい人がいたら買って損はないはず。チャーシュー以外にも何か作ってみたい気もする。レシピができたらまた紹介をしたい。ではでは。