2023年04月08日
大学の頃の友人たちとの間で「ゆらゆら帝国のベスト10プレイリストを作る」という試みが流行していて、自分も考えてみた。
ゆらゆら帝国は自分が一番好きなバンドの一つだけど、そういえば、ベスト10を考えたことはなかったな、と思う。
というよりも「1番好きな曲」すら考えたことがなかった。
思い返してみると、ゆら帝には良い曲がたくさんあるけれど、「ゆら帝といえばこれ」というようなキラー・チューンは存在しないように思う。
キラー・チューンが存在しないということは、作る人によってかなり異なるプレイリストができあがるはず。
その試みはとても面白い体験になると思った。
というけで、自分が選んだゆらゆら帝国のベスト10を簡単な感想と共にまとめていく。
なお、対象はメジャーデビュー以降にリリースされた曲とする。
(インディーズ時代の曲は把握していないものもあるため)
{順位} {曲名} / {アルバム名}という記法で並べていく。
メジャーデビューアルバムに収録。
全体的なサイケデリックなナンバーが目立つアルバムの中で、この曲はシンプルなビートがとてもかっこいい。
歌詞も詩的センスを感じる。
壁の前でへこんでいる なくりそうな君が好きさ
消える前にこの手で消してやる
君はぼくの幻だった 遠い過去の面影なんて
何もないこの手で消してやる
ライブだと坂本慎太郎がマラカス振りながら歌ってるだけという例の曲。
ライブバージョンの方が好き、ドラムとベースだけなのにサウンドが滅茶苦茶かっこいい。
ゆら帝のミニマル・ミュージックの極致と言える。
サウンド、歌詞を含めて感情が溢れ出る、ゆら帝で恐らく一番エモい曲。
ゆら帝には、あまりエモさを感じる曲はないので、そういう視点からいくと珍しい。
たぶん空洞ですのコンセプトに合わなかったのかな、アルバムへの収録はなかった。
ぼそぼそ歌うボーカルとギターリフが不穏な曲。
ポストパンクのような不安定で妖しい雰囲気。
色んなことが面倒くさいな、あーなんかやだな、みたいな気持ちと共鳴をする歌詞の曲。
それは恐らく人生におけるやるせなさ、と呼ぶべきもの。
といっても内省的に沈み込む、ということはなくて、サウンドのテンションの高さが爆発的だから、自分の中のやるせない気持ちが内側で爆発するような快感がある。
頭振っても楽しくない
腰を振ってものれない
ぼく本当はいろんなこと
いつも考えてたのに
会社に行くときとか、「なんかやだなー」っていう時に聴くと良い。
実際自分もそうしていることが多い。
Sweet Spotといえばタコ物語とか、ロボットでしたみたいな、気持ち悪いけどかっこいいみたいな曲が目立つアルバム。
その中で表題曲のスイートスポットは透き通ったようなグッドなメロディの曲。
アルバムを通して聴いていると、危険なところから安全な場所に帰ってきたような安心感を覚える。
冒頭でキラー・チューンがないと書いたけど、あえて挙げるならこの「待ち人」になるんじゃないかなぁ、と思う。
ベストソングではなくて、ゆら帝で一番キャッチ―でポップな曲は何?という聞き方だったら、結構な割合でこの曲が挙がるはず。
自分自身そう思う。
25分に及ぶ大曲。
悪い夢からいつまでも抜け出せないような、サイケデリックなトリップを味わえる。
3X3X3のEVIL CAR
も同じようなトリップ感覚があるのだけど、こちらの方が個人的には完成度が高いと思う。
つまり、初期サイケデリックサウンドの集大成的な曲。
変拍子なのかな、リズムの意味が分からない。
全く乗れないのに、耳から離れないギターリフに引き込まれる。
いろいろと悩んだけど、男は不安定が1位となった。
8分程度と長い曲なのに、ずっと踊れる。要所要所で盛り上がる展開があるで、徐々にテンションがあがる。
ゆら帝屈指のダンス・ナンバーでいつ聴いても熱い気持ちになる。
今回のプレイリストはSpotifyにまとめたので、ぜひ聴いてほしい。