2022年12月04日
昨年の10月から始めたPitchfork200アルバムのレビューの第六弾。
10位から1位までで、特によかったアルバムを紹介する。つまりこれが最後の記事。
めちゃくちゃ良いと思ったら星が5個
また聴きたいなと思ったら星が4個
あまり印象に残らなかったら星が3個
以下、Rateが星5のものを{ランク}. {アルバム名} / {アーティスト名}
という記載ルールで紹介していく。
ケンドリック・ラマ―といえば2018年のフジロックに出演したことで覚えている。
自分もたまたまその年のフジロックに足を運んでいた。その時の予習で聴いたのがファースト・コンタクトだ。
アルバムは何枚か聴いたけど、このTo Pimp a Butterfly
がダントツでかっこいいと思う。
アルバムを通したときの1曲目は大事で、名盤とされるアルバムの1曲目はパンチの効いた曲が多い、というのはあると思う。
このTo Pimp a Butterflyも例に漏れず1曲目のWesley's Theory
がとても印象的だ。Hit Me!
の発声から始まって、これだよ、これ、これがブラックミュージックだよ、と頷きたくなるドラムとベース。
他によくリピートしている曲はグルーヴィーな3.King Kunta
。ポエトリーディングっぽい語りから始まり、メロウなサウンドが美しい5.These Walls
。畳みかけるようなラップがかっこいい7.Alright
最後のMortal Man
も名曲感がすごかった。
個人的にレディへで一番好きなアルバム。正確に数えていないが、たぶん30回以上は通して聴いている。
大体名曲。挑戦的な楽曲が多いながら捨て曲らしい捨て曲がない稀有なアルバム。奇跡的なバランスの上に成り立った緊張感がある。
改めて聴いてかなり良いと思ったのは6.Karma Police
。
Karma police, arrest this man
He talks in maths, he buzzes like a fridge
He's like a detuned radio
Karma police, I've given all I can
It's not enough, I've given all I can
But we're still on the payroll
この辺の歌詞がサラリーマンの悲哀っぽい感じがあって良いんだよな。この辺は学生だった頃はあまりピンとこなかったところでもある。
前作のOK Computerに対して挑戦的という形容をした。
比較すると次作のKid Aはとにかく実験的という形容がふさわしい。
それまで向き合ってきたギターロックを完全に捨てて、全く違う方向を向き始めたアルバム。
実験的、というだけで一定の評価を得るアルバムが多いなか、ポップで聴きやすく名曲が多いのが天才的で奇跡的。
前述のとおり自分はOK Computerの方が好きだけど、こちらがより高評価されるのは完全に納得できる。
発端となったエントリ「Pitchforkの200ベストアルバムを聴こうと思った」を書いたのが2021年10月18日。
最後のKid A
を聴き終えたのは2022年12月1日のことだったので、1年以上かけて200枚のアルバムを聴いてきたことになる。
1年以上かけて200アルバム聴き終わりました。 #pitchfork200album
— Qlitre (@kuri_tter) December 1, 2022
想像していたよりも聴いたことのあるアルバムが少なかったのが収穫だった。
いま数えてみたら少なくとも聴いたことがあるのが30枚程。その中でいわゆる聴きこんでいる、といったレベルのアルバムは10枚にも満たないだろう。その他170枚ほどのアルバムについては、「アルバム名だけは知っている」、「アーティスト名だけ知っている」、「アーティスト名も知らない」などに分類される。認知度合いについて濃淡はあるものの、「知らなかった」と評価して差し支えない。
知らなかったアルバムをたくさん聴けたのが楽しかったし、通して聴く中で知っているアルバムに当たるのもこれまた楽しかった。
ではでは。