QLITRE DIALY

『映画:フィッシュマンズ』を観た

2022年08月27日

『映画:フィッシュマンズ』が公開されたのは2021年だった。

タイトルの通り、フィッシュマンズのドキュメンタリー映画で、ツイッターかなんかでなんとなく認知はしていたように思う。

だけど最近はあんまり映画を観るという習慣がなくて、観たいと思ったかどうかも記憶が定かではない。そんな時に、今年のサマーソニックのライブを観るために契約していたWOW WOWオンデマンドで、なんと8月末まで公開されているじゃないですか。ということで駆け込みで鑑賞。ちなみに3時間近くある。

90年代の東京に、ただ純粋に音楽を追い求めた青年たちがいた。彼らの名前は、フィッシュマンズ。プライベートスタジオで制作された世田谷三部作、ライブ盤「98.12.28 男達の別れ」をはじめ、その作品は今も国内外で高く評価されている。

だが、その道のりは平坦ではなかった。セールスの不調。レコード会社移籍。相次ぐメンバー脱退。1999年、ボーカリスト佐藤伸治の突然の死……。

ひとり残された茂木欣一は、バンドを解散せずに佐藤の楽曲を鳴らし続ける道を選ぶ。その想いに仲間たちが共鳴し、活動再開。そして 2019年、佐藤が世を去ってから 20年目の春、フィッシュマンズはある特別な覚悟を持ってステージへと向かう??。過去の映像と現在のライブ映像、佐藤が遺した言葉とメンバー・関係者の証言をつなぎ、デビュー30周年を迎えたフィッシュマンズの軌跡をたどる。

公式ホームページより

https://fishmans-movie.com/

フィッシュマンズと自分

高校生くらいの頃だっただろうか。当時、地元の図書館でCDを借りるのにはまっていた時期があった。その中にフィッシュマンズの「空中キャンプ」があって、借りたのが出会いだった。空中キャンプは素晴らしいアルバムだと思った。まさにすばらしくてNice Choice。

当時はゆらゆら帝国とかナンバーガールを良く聴いていた。まぁ色々な評価はあるけど、どっちも轟音っていう感じはあるだろう。対してフィッシュマンズの浮遊感のある曲も当時の自分はとても心地いいと思った。その後、大学では音楽サークルに入ったのだけど、周りにフィッシュマンズに詳しい人が結構いて、『空中キャンプ』以外のアルバムもめちゃめちゃ良いぞ、みたいな話を教えてもらって、その他のアルバムも大体聴いた。

この一連の話は確か2007年から2008年くらいの出来事だった。とっくに解散している時期なので、後追いではまっていたということになる。

『映画:フィッシュマンズ』について

フィッシュマンズの歴史を追いながら、関わった人物がそれぞれコメントを挟むという構成で進められる。

メンバーの茂木欣一、小嶋謙介、柏原譲、HAKASE-SUN、HONZI、関口“dARTs”等をはじめ、サウンドエンジニアのZAK、再活動で参加している原田郁子など。

ところどころに当時の貴重な映像が散りばめられている。なんていうかロードムービー的な味わいもある。

感想

音源やライブ映像はそれなりに触れてきたのだけど、ドキュメンタリーとして改めて歴史を追うと知らなかったことも多くて驚いた。

文章や記事などは熱心に読んでいたわけではなかったので。

コアなファンには当たり前なのかもしれないけど、自分にとってはそうでなかった。

以下印象に残った場面等を。

1stアルバムのレコーディング

1991年にリリースされたファーストアルバムのChappie, Don't Cry、レコーディングがなんとオーストラリアはメルボルンで行われていたらしい。サウンドエンジニアの人はなんとU2とかも担当したことがある方らしく、「フィッシュマンズで唯一世界レベルで作られたアルバム」という評価もあった。ちなみに全然売れなかったらしい。

このあたりで現地のライブハウスで演奏している映像もある。貴重だ。

タバコ

映像に出演する佐藤伸治はタバコを吸いまくっていた。

自分の中では喫煙っていうイメージから遠い人物だったので、少し驚く。

ラストライブの意味

ラストライブの「男達の別れ」っていうタイトルは後からつけられたものだと思ってたのだけど、ツアー名は最初から決まってたみたい。ベースの柏原譲が脱退を表明していたことからそのタイトルになったそうな。で「ひこうき」の後のMCってそういうことだったんだ、って頭の中でつながった瞬間に感動する。

やっぱりというか「そんなこと言うなよぉ!」の観客の突っ込みは映画でも言及されていた。泣ける。

再活動について

映画の終わりの方で茂木さんが「佐藤伸治がいないからライブに行かないっていう選択肢は、それはそれでありだと思うけど、残った人たちで何ができるのか、今の自分たちでどう表現できるか、ていうのは追求していきたいと思っている」みたいな話をしていた。そういえば自分もフィッシュマンズのライブは一度も観たことがなくて、心のどこかで「まぁ佐藤伸治じゃないしな」と考えていたところがある。映画の終わりの方で流れる再活動ライブの映像がいいなぁ、次の機会に行きたいなぁ、と思う。

SAKANAのPocopenさんの『あの娘が眠ってる』が良い。

おわりに

ライブ映像がかっこいいので、自宅の小さいテレビで観たのは後悔。

こういうのはやっぱ映画館で観ないとだめだな。ではでは。